歳食った引きこもりが旅行に行かない理由

暗い顔をしながらただただ停滞してる日々。空回りすら出来ていない。

そんな俺を見て母は「旅行にでも行ってこれば?」と言ってくれる。

働きにも行けない、会って話す友人や恋人もいない、一人で家で欝々としているだけの日々が続く。たしかにパーっと旅行にでも行けば何か気持ちに変化が訪れるのでは、という期待感は分かる。

しかし旅行に行ったところで何も解決しないんだよな。金や孤独の問題から解放されるわけではない。それどころか残り少ない貯金が無くなって余計にメンタルが低下するだけな気がする。

やはりとてもじゃないけど旅行なんて行く気にはなれない。

 

むかしは一人旅なんかもしていた。

しかしそれはあくまで現実社会との接点があってこそ楽しめたのだと思う。

とくにオッサンになってからの一人旅なんかは『社会との繋がり』と『収入源(金銭的な心の余裕)』という担保があるからこそ出来る遊びだ。

まず、仕事や人間関係の喧騒があり一時的にそこから離れるからこそ心地よさを感じれるのであって、社会との関わりが皆無な状態で一人旅をしても孤独感がさらに増すだけだと思う。

そして、何より金銭的な余裕がない。旅行ってのは金はそれほど必要ではなく少量でもいいのは分かる。しかし俺には無さ過ぎる。収入源は無く、残り僅かな貯金だけ、もう金欠のリミットは迫ってる。

 

まあそれでも、敢えてやっみるってのもアリかもしれん。

旅行といういつもと違う行動をすることで何かが変わる可能性もゼロではない。

それに、敢えてリミットを自分から壊せば、つまり残りの貯金を使い切れば、働く気が起こるのでは?という考えもある。

今の俺は、実家に寄生しているうえ、特に趣味もないので年間2、3万円ほどしか消費していない。このペースだと残り僅かな貯金とはいえ、あと数年はもつだろう。しかしもし、親や自分が大病を患うなどすれば当然金は全く足りず一瞬で詰む。という状態…

だったらこの程度の端金なんて無いほうがマシなのでは?逆にこんなものがあるから引きこもりから脱出できないのでは?ケツを叩くつもりで敢えてその程度の端金なんて使いきっちまえ!という考えもある。

 

でもやっぱそんなことできねえよ。てかそもそも楽しめる見込みもない旅行なんて行きたくねえ。

貯金はたとえ少量であっても心の支えになってるだろうし、ゼロになったところで、よし!働こう!と俺はならないと思う。今健康の為に買っているいるビタミン剤やピルクルが買えなくなるだけだと思う。

それよりも心の余裕が更に無くなりメンタルが低下するリスクの方が大きい。

ただ焦燥感が増すだけでやはりケツを叩くことは出来ずそのまま詰む…みたいなことになりかねない。

 

というか旅行の話に戻るけど、収入無し、孤独、このままだと将来への見通しもない、という状態で旅行にいくってのは、まるで人生を終わらすための“最後の心慰み”みたいなんだよな。俺は心慰みにはならないと思うけど。

実際、自殺する前に旅行をする人は多いようで、そういう人をSNSやブログを見ると非常に哀愁が漂っている。例えば、引きこもりライダーさんTwitterなんかは心にくるものがある。他にもいくつかあったんだがちょっと今見つからないのでまた見つかったらここに紹介する。

 

と、以上のことから、俺は旅行には行く気にはなれん。気分転換になるとは思えないし、貯金を使い切って退路を断ってやる気が出るなんてことにもならないし、今んとこ自殺しようとも思ってないし。

もっと若ければ、金があれば、行く気になっていたのかもしれんがな。