高熱が出たその後

こないだ高熱が出たと書いたのだがその後のことを書く。

まあ結論からいうと近場のクリニックに駆け込んだのだが、高熱の原因がわからない状態だったので、直前までどう対処するか悩みあぐねていた。

一応選択肢としては、手術した病院に電話する、とりあえず近場のクリニックに行く、もうしばらく様子を見る、の3つがあったのだが、体調不良もてつだいない思考力がさらになくなっており判断できないでいた。

なぜ悩みあぐねていたのかというと、まず複雑痔瘻の手術による合併症なのか他の原因によるものなのかわからない、というのが大きかった。そして熱がある状態で病院が受け入れてくれるかがわからない、というのもあった。ちなみに、手術した病院では入院してるときに「退院後に熱が続くなど異常がある場合は、当院へ電話してください」と言われていた。しかしその病院のHPには「熱がある場合は当院かかりつけの患者様であっても直接受診ではなく、まずは帰国者・接触者相談センターへ電話してご相談ください」と書いてあった。

例えば、手術した創部が異常に痛むとか出血がひどくなったとか、あるいは退院後まだ間もないとかなら迷わず手術した病院に電話したかもしれない。しかしもう退院して19日が経っていた。そして首の右側リンパ腫れと右耳の腫れと痛み。たしかに手術した創部からの浸出液においては最近膿の比率が増えてきたという心配事はある。そして腰や脚の違和感といったものも。しかし『右耳な気がするんだよなあ…』と内心思いはじめていた。手術した病院は人気の病院だし執刀医も人気の名医だ。こんなことで電話する必要はあるのだろうか、はたまたもし電話をして明日にでも来てくれと言われたらどうしよう、などといらぬ心配が巡る。

そうこうしているうちに時間は経ち近場のクリニックの診察時間の終了が近づいていた。今日は昼の診察のみで午後は休診だ、今行っとかなければ明日以降になってしまう、今は熱はおさまっているが夜以降また高熱が出るだろう、そう考えて半ばしかたなしに俺は家を出た。

病院に着くと患者は自分以外おらずガラガラで、もう閉まっちゃったかと思っていると、受付の人がまだやってますよと教えてくれた。そこで熱があることを伝えると若干受付内が騒然としていた。どうやらコロナの関係で熱のある患者の受付は制限しているようだった。俺は弁解するように、今現在つまり家を出る直前に計ったときは熱は下がっていたことを伝えた。実際家を出る前計ったときは36度台後半まで熱は下がっていた。日中は一瞬だけ下がるんだよな、そして夜になると上がるという状況だったのだ。それで病院に来たわけだが。さらに咳や鼻への症状はなく、右耳が腫れてリンパが腫れていることも伝えた。そしてしばらく待たされた後どうやら診てくれることになった。

診察室に入る。前日まで39℃以上あったことを言うと看護師さんが驚くというより焦っているような反応をした。結論としては耳から黴菌が入ったのだろうとのこと。それで1週間分の抗生剤を渡された。耳の内部に異常があればすぐに耳鼻科に行くように言われた。

高校時代から若いころにかけて体調不良や怪我などがあると通っていた近場のクリニック、もう10年以上ぶりだろうか、なんとなく先生の対応が昔よりほんの少し冷たい気がした。

しかかしまあ、余談だが、やはり医者に見せると安心感が湧いてくるな。自分でネットなどで検索している間は悪い情報ばかり目に入るが、耳の付け根辺りを2ヶ所押されて「ここ痛い?」などと聞かれ応えると、「こーれは、耳でしょう!」と早々に抗生剤が決定。これでもう心配はしなくていいんだと一気に心境が変わるというな。

帰りにクリニックの入り口にある張り紙に気付いた。1週間以内に38度(37度5分だったけかな?)の発熱のある人は直接のご来院はご遠慮と書いてあった。確かにお年寄りの通院者の多い病院だしな。悪いことをしたな。しかし行きしなにそのことを知らなくてよかったなんて思ったりもした。たぶん知ってしまったらクリニックに入らずそのまま引き返してまた家で悶々とすることになってただろうなと。やはり行動力ってのは情報を知れば知るほどなくなっていく側面があるなと思ったりした。

さて、せっかく入手した抗生剤だが、結局飲まなかった。その日の昼つまり家に帰ってすぐから飲む用の処方だったのだが、自己判断でもしこれ以上症状が悪化しなければ、例えば夜になって熱が出たとしても38℃以下までなら、抗生剤は飲まなくてもいいかなと考えて。それでその日一日は様子を見て、もし症状がこれまで通り、もしくは悪化するようなら飲み始めようと。つまり飲み始めまでに一日の猶予期間を設けたわけだ。

ちなみにその後また37.9℃まで熱は上がった。しかしまあ39℃以上あったときに比べれば症状は右肩下がりになっている実感があった。この調子だと自然治癒で大丈夫だろうと結局今現在まで抗生剤は飲んでいない。ほんとうはこういう自己判断はよくないんだろうけどさ。

なんでこういうことをしたかというと、手術した病院に確認を取るのが面倒だったから。手術をした病院でも抗生剤は術後3日ほど飲んでいた。クリニックでもらったのとは違う種類のやつ。そして基本的に痔瘻抗生物質はあまりよくないという噂をネットで見たことがある。まあ噂といっても痔の専門病院の医長のブログだったかの情報なのでそれなりに信憑性はある。なのでできればクリニックでの抗生剤は飲みたくなかったのだ。まあこれも知れば知るほど行動力がなくなる法則に当てはまるな。