親に死ねと言ってしまった

8時ごろ布団に入った。比較的すぐに寝ることができた。中途覚醒は2、3回。

15時半ごろ目が覚めたとき、外から物音が聞こえてきた。それで布団から出た。

物音は父親が庭の北側にある木々を剪定している音だった。以前から俺や母が「外からの目隠しになるので切らないでほしい」と言っていた白樫や金木犀だった。枝はほとんど切られ無残な姿になっていて、3メートルほどあった丈は人間の身長ぐらいまで短くなっていた。これ、枯れてしまうんじゃねーのか…というほどに。

そして不可解なのが、べつの場所にある木々はなぜかずっと放置されていること。例えば、庭の東側にある紅葉は家の外にまで枝が伸びて電線に当たっている。危険だ。西側にある竹は枝垂れで玄関の通路を邪魔しているし根がコンクリートの階段まで張ってヒビが入り崩壊しかけている。これも危険だし不便だ。もちろん見た目も異常な状態になっている。なんでこんなことをするのか意味が分からない。ちなみにそれらの木々を俺や母が触ろうとすると、彼はキレる。まあ、彼なりの何か拘りがあるのだろう。

普段俺は彼とはほぼ話さないのだが、思わず「なんでこっち(電線に当たっている紅葉や玄関を侵食している竹)は放置して、切らないでほしい目隠しの方を切るのか?」と尋ねた。すると露骨なまでの無視だった。聞こえていないはずはないのだが、俺は同じ内容を2度3度と言った。しかし彼はムスッとした顔で黙りこくっている。

そして、4度目を言おうとしたあたりで「老い先短いんだから俺の好きにさせろ!俺が死んだらお前の好きなようにできるだろ」と彼は言った。

無性に腹が立ってきた。老い先も何も、あんたは昔からずっと好きなようにしてきただろう。俺や母が意見など言おうものならあんたは怒り狂うもんだから、ずっと何も言えなかったし、あんたはずっと絶対的な存在だったではないか。

まあ、要するに「お前らは一切意見するな」ということなのだろう。老い先短いだとかは関係ない。ずっとそうだったから。

それで俺は思わず「死ね!」と言ってしまった。生まれて初めてだ、親にこんなこと言ってしまったのは。そして続けて「自分が好きなようにしたいだけだろ!じゃあ俺が明日自殺するのなら俺の好きなようにさせてくれるのか!」などと俺は口走っていた。そこから10分ぐらいだろうか、俺の攻撃的な言葉は止まらなかった。

それでも彼は俺の言いたいことは聞いていない(理解していない)ようだった。彼は昔から脳内多動がひどいようで、人の話は一切耳に入らないらしい。話すだけ無駄なのだ。

そして、俺があまりにうるさいもんだから、彼はそのまま家から逃げるように出かけていった。

するとやはり俺には罪悪感のようなものが湧いてきた。力関係が逆転したから、俺は彼にこういった攻撃的な言動をしまっているのだろう…と。過去、子供のころから若いころにかけて、彼の方が強かったときにされてきたことを、俺は今になってやり返しているんだろう…と。しょーもないことをしてしまっている…と。非常に気分が悪くなった。

それで、今日もパソコンの前でぼーっとしているだけで何もできなかった。いつも何もしていないが、今日はいつも以上に何もできなかったな。また一日を無駄にした。それどころかいろんなことが悪化した。

Twitterにも書いたが(というかいつも書いているが)、彼とは若いうちに物理的に距離をとっておくべきだったんだよ。彼は異常な拘りを持っている、それでいて絶対的な存在だった。だから彼は自分の拘りを問答無用で通していた。俺や母がどんなに嫌がろうが関係なしだった。しかし俺も異常な拘りを持っている。俺が彼よりも強くなると今度は俺が彼に拘りを押し付けることになる。つまりは、先ほども書いたが、やり返しをしてしまう。こんな人間同士が一つ屋根の下で生活すべきではなかったのだよ、そもそも。

今これを書いている時間は深夜2時43分。いつも何もできてていないが、今日はほんとに何もできなかった。