引きこもりの取材依頼を断ってしまった

とある学生さんからTwitterのDMで引きこもりの取材をしたいとの依頼があったのだが、断ってしまった。

俺の場合、文章でのやりとりをする分には全然いいのだが、向うさんとしてはZOOMなどで取材をして生の肉声を撮ってラジオ番組にしたいとのことだったので、それは抵抗があるということで断ってしまった。音声を変えるなどの提案もしてくれたのだが、それでもやはり抵抗があったので、俺には受けることはできなかった。申し訳ない。

ところで、引きこもりに関するコンテンツを作っている会社や団体は結構あるみたいなのだが、それらが行う引きこもりへの取材というのは、ガチな引きこもりほど受けるのは難しかったりするんだよな。いや、正確には、ある種の条件が一つでも揃わない引きこもりは取材を受けれない、と言った方がいいか。

例えば、俺の場合、文章ならともかく直接肉声を撮られるだなんて、白日の下にこんな恥ずかしい自分を晒して、ましてやそれが音声コンテンツとして永久にこの世に残ってしまう(可能性がある)だなんて…という気持ちになってしまい、難しいのだ。例えば、もし俺が、もう引きこもりから脱出することも完全に諦めて、数日後とか数週間後には確実に死ぬ、とかだったら、逆に喜んで受けるかもしれないが。

また、他にも、単純に強度の人間不信や対人恐怖があるような引きこもりなんかも無理だろうな。今回俺が断った理由にも、先に書いた理由以外には、この二つも多少なりともあったりする。

ある種の条件が揃った引きこもりしか受けれない、つまりこういったコンテンツはどうしても偏ってしまいざるえない、のかもしれない。取材を受けれるような引きこもりの声だけが採用され、それ以外は透明化されることになってしまうので。

あれだな、とある属性(とくに弱者属性)において、声を上げるだの、あるいは行政やマスコミなどが生の声を聴くなど、よく言われることなのだが、結局そういった情報は偏ってしまうという問題があるんだよな。声を上げれるような、あるいは行政やマスコミに声を届けることができるような、条件の揃った人間のみがどんどん可視化されていき、逆にそれらの条件が揃わない人間の声は底に沈んていくとういう。そしてそういった人間ほど本当に助けが必要な人間だったりするという。

まあ取材を断った俺が言うのもなんだが(爆)