フィクション

俺は花粉症がけっこう酷い。鼻水は無限に出てくるんじゃないかと思うほどずっと出つづける。

そこで実験をすることにした。深夜、風呂に入ったとき、鼻をかまずに放置してみるのだ。風呂場だと鼻を垂らしても問題ない。

鼻水はどれくらい出つづけるのか?あるいはいつかは止まるのか?試してみたかったのだ。

すると鼻水はやはり出つづけた。シャワーを浴びているときは一瞬シャワーのお湯と鼻水の違いが分からず止まったような錯覚に陥るが、シャワーを止めて確認するとやはり出つづけているようだ。

俺は風呂から上がった。

それでも鼻水は出つづけていた。

台所に行って洗い物をすることにした。洗い物はシンクに頭を傾けながらやるので鼻水が垂れてきても洗い流している皿の汚れや洗剤と共にシンクの中に落ちていってくれる。

俺は洗い物の手を止めた。

鼻水はずっと出つづけている。

鼻水とは体内に入った不純物を取り除くための生理反応である。つまり体が自らの生命を守ろうとしているのだ。誰から言われるもなくせっせせっせと俺の鼻の粘膜は俺の体を守ろうと働き続けている。

俺は「花粉は不純物と見なさなくていいんだよ(これを不純物としてしまうとキリがないよ)」と鼻の粘膜にそっと囁いた。

しかしそれでも働き続ける粘膜。

俺は粘膜のあまりにもの健気さに自然と涙を流していた。号泣していたのだ。

「あんた、どうしたの?」

母がトイレに降りてきていたようだ。見られてしまった。深夜なので誰にも見られまいと油断していた。

俺は「かっ、花粉症が目にきてるみたいだっ」と言った。

 

9割ぐらいフィクションだ。母のくだりとか。なんでこんなこと書いたかというとマジで書くことがないからだ。

何かしら行動して、自らの意志で生活に変化を付けて、そのことを書きたいんだよな。ほんとうは。今日はアルバイトの応募をした、とか、今日は昔の友人に連絡を取ってみた、とか、今日は大掃除をした、とか。何も行動してないから何も書くことがないんだよな。

あるいは、もっと早い時間から書けば何かしらテーマを決めて過去のことや自分の思考をじっくり書けたりするのかもしれんが、一日何もしないでダラダラして遅くなってしまい書く時間がなくなってしまう。何かしなきゃと思いながら時間だけが過ぎ去って一日が更けていき、ブログなんて書いてる暇ないだろ…となってしまう。