ニートが美容院に行くということをかなり前向きにとらえてみる

今日は美容院に行ってきた。

一時期は対人恐怖が酷く美容院に行けなくなり1年以上髪を放置したりもしていたが、ここのところ2~3ヵ月に1回のペースで行けるようになった。散歩と自己啓発と食生活の改善などを心がけてきた賜物かもしれない。

また、以前は美容院に行くには一大決心が必要だったが、前回と今回は慣れてきたのか割とすんなり行けるようになってきた。

ただ今日の美容師さんはよくしゃべる人で、俺が一番聞かれたくない「今日はお休みですか?」を聞かれてしまった。

この質問をされるということは、幸いにも俺の雰囲気が引きこもりっぽくなくなってきているという事を意味するのかもしれないが、やはりドキッとはしてしまうな。

一応この質問が来たときの対策はしていて、

  • 引きこもりではなくニートである(実際には引きこもりの定義に当てはまる)
  • 前職をやめて2年ほど経ってしまった(実際には人と会わなくなってもう5年近く経つ)

と、現状の実態よりもソフトな設定にしつつ、「今仕事をしていない」ということは正直に言おうと考えていた。ここは誤魔化しようがないと思ったので。

というわけで、俺が「今無職なんです」と言うと、「あら…ごめんなさいね」と返ってきた。いや、謝られるとか逆につらいわ!と思いつつも、まあ気を使ってくれてるんだなと思っていると、「私も1年半ほど仕事ができなかった時期があったよ」と美容師さんの身の上話を聞かせてくれた。

そういえば、この美容師さんよくしゃべるけど、ずっと話し手に徹していてくれている。俺がおとなしくてあまり自分のことを話したがらなさそうな雰囲気を察してくれて気を使ってくれているんだろうな。

なんというか、言い方は悪いけど考えてみればこちらは客なので美容師さんが気を使ってくれるのは当たり前のことかもしれん。もちろんそうでない美容師もいるかもしれないが、普通はそうだと思う。

いや、もちろん、できれば気を遣わさせたくはないんだけども、「これはそれほど悪いことではない」と俺は自分に言い聞かせた。そして、多分こんな客と喋るの大変だろうなーと思いつつ、気を使ってくれる美容師さんに感謝しつつ、気を使ってたじたじしている様子を観察していた。

当然これが、俺が働いていてサービスを提供する側で、逆に客に気を遣わせているような状況ならば、客からクレームがくるかもしれないし、上司から怒られるかもしれない。しかし今は俺が客なのでそういった心配はないわけだ。

そのように考えると気が楽になった。

ただし、「申し訳ない…これじゃ本当はダメなんだ…」と心で唱えつつだが。

ところで、俺の場合、多分ちゃんと仕事をしていていたら、自分の人生に負い目を感じていなければ、もっと話せると思うんだよな。なんというか、人生のバロメーターというかメンタルの充実感ってのは、美容師とどれぐらい喋れるか、というのがある気がする。

もちろん単純なコミュ力の問題もあると思う。たとえ人生がみすぼらしい状況でもコミュ力のある人間ならちゃんと喋れるだろうし。

まあでもやはりそれも含めて、美容師との会話ってのそのときの自分の調子の良さが関係しているなとは思う。

ここで俺は、美容院に行くようにすることは引きこもり脱出において重要な気がしてきた。いや、それ以外にも多くの効用があるな。

  • 自分の状況が測れる
  • 単純なコミュ力が測れる
  • 見た目が向上する

これは素晴らしことではないだろうか。

“測れる”と書いたが、測れるということは改善すべきことが何か見えてくるということだ。つまり自分の今の状況を見直し改善する努力に繋がったり、単純なコミュ力のトレーニング(リハビリ)繋がったりする。

一時期、会話拒否できる美容院を探そうとか考えたこともあったが、以上のように考えれば普通にコニュニケーションのある美容院でも悪くはないなと思えてきた。いや、やっぱめんどくさいけどさ。