本来は中高年の方が自殺しやすいはずなのに若者の自殺が増えている理由

よく若者の自殺が深刻という話を聞く。報道でもよく聞くしSNSでもそういった意見をよく見かける。

日本の年齢別自殺率の推移1

引用:警察庁資料1

しかし、このグラフを見れば分かるように実際には若者よりも中高年の方が自殺をしている。

そりゃそうだ、歳を食うほど社会的な格差は広がる。社会的地位が低い人間はより低い位置に落ちていくし、孤独な人間はより孤独になっていく。

そして当然ながら歳を食うほどに浮上することも困難になってくる。将来への希望が消失する。

こんなのは当たり前の話だ。

しかしメディアは反応がとれる情報を発信する傾向があるので「若者こそが可哀想な存在だ」と煽りがち。とくにSNSなんかは見ている層も若者が多いので、それに合わせた情報を発信した方がウケがいいのだろう。

今は誰もが可哀想と言われたがる時代。

可哀想ランキングの上位争い、あるいは弱者の椅子取りゲーム、これらが熾烈になってきている世の中で「若者こそが可哀想な存在だ」とリップサービスをするのは今のメディアとしての正しい立ち居振る舞いなのかもしれない。

日本の年齢別自殺率の推移2

引用:警視庁資料2

などと息巻いていたのだが、この先ほどのグラフの翌年ver.を見ると、20代の自殺率が2019-2020年にかけて大きく上昇して30代40代を上回っている。さらに気付いたのが10代の自殺率が2018年あたりから徐々に上昇している。

これに関しては本当に「若者こそが可哀想な存在になってきている」という論が当てはまるな。

ここで気になるのがその原因だ。

SNSやネット上の記事などを見ていると、

  1. 政治が悪い!将来に希望を持てない国になってきている!
  2. コロナによる生活様式の変化
  3. コロナによる経済問題

などが挙げられている。

まず1.関しては、漠然としていてイマイチしっくりこないというか、ある種の思想を持つ人達が騒いでいるだけのような気もする。

しいて言うなら、過去さんざん経済大国だの、技術大国だのもてはやされていた日本の勢いもここ10年ほどは横ばいとなり、諸外国と比べても勢い負けしているので(日本の)将来に希望が持てない、というのは一理あるかなと思った。

個人的には2.が結構大きいと思ってる。

まず外出控えによって引きこもりがちになった人は多かったのではなかろうか。運動不足になる、食事や睡眠のリズムが乱れがちになる、人と会う機会が減る、これらによって心身のバランスを崩した人が多くいたという可能性はあるだろう。

生活リズムのペースメーカーとなってくれる仕事や学校、気軽に友人と会える環境、これらは人々の心身のバランスを正常に保つ上で非常に重要だったのだろう。そして、とくに後者は独身の若者にとっては大きかったのではなかろうか。逆に独身の中高年は既に元々友人が少ない人も多くあまり変化がなかったのかもしれない。

ちなみに10代における最も自殺率が上昇する日は夏休み明けの9月1日で、春休み明けの4月やゴールデンウィーク明けの5月にもやや上昇するらしい。つまり、10代にとっはコロナによる学校の休校が変則的な長期休暇となってしまい、心身のバランスを崩してしまう切っ掛けが例年よりも多くなってしまったのかもしれない。

3.については、直接的な影響としては若者だけが打撃を受けるわけではないし、独身率の高い若者よりもむしろ家庭を持つ30代以降の人にとっての方が経済的打撃としては大きいようにも思われる。しかし、これについては逆に家庭があるからこそ責任感から自分を奮い立たせ頑張れたという人もいるかもしれない。

そして間接的な影響としては、親の経済問題から家庭内不調和が起き、それに子が悪影響を受けて心身のバランスを崩してしまった、というケースもあるかもしれない。さらにこれには2.の生活様式の変化も関係していて、親との関係性が悪かったり家庭に居場所がない子が長時間家庭に居留まることを余儀なくされることで、より悪影響が大きくなったというケースがあるかもしれない。

あとは、昨今の有名人の自殺における過剰な報道やそれに対するSNSなどで繰り広げられる同情大会によるウェルテル効果による自殺もあるかもしれない。ウェルテル効果は若い人ほど影響を受けやすいと言われている。

ここからはさらに個人的な意見になるのだが、ここ数年続いているメンヘラブームも若者の自殺率上昇に付与しているのでは、と俺は思っている。

メンヘラブームというのは、ネガティブ思考、悲劇のヒロインのように振る舞う、他責思考、これらを全肯定してくれる風潮のことである。これはある種、リベラル思想が悪い方向に変質していった結果なような気もしている。

ちなみに前半に書いた「今は誰もが可哀想と言われたがる時代」というのも、このメンヘラブームから派生して起こった現象だと思っている。

以前は、弱音を吐くな、とにかく頑張れ、全部自分のせいにしろ、という風潮が世の中に漂っていた。これによって追い詰められて自殺したという人もいただろう。グラフにおける2010年前半の自殺率が大きいのは、リーマンショックや震災の影響だけではなく、この根性論的な社会風潮によるものもあったように思う。

しかし今はその反動が大きくなりすぎている気がするのだ。ネガティブになるのは仕方がない、自分は可哀想な人間だ、自分は何も悪くない、という風潮に流されることで自己洗脳のような形で負の感情に歯止めが効かなくなり逆に心を病んでしまう人が出現しはじめているのでは。

要はバランスである。もしかしたらグラフから見れば2015年頃の社会風潮が最もバランスがとれていたのかもしれないな。

ちなみに、メンヘラブームの影響としては、市販薬OD、安易に心療内科を受診することで反って病みを加速するケースなど、もあると思っている。例えば、向精神薬は正しい処方であれば人を自殺から救うが、その逆もかなりあると俺は思っているし、病名が付くことで救われる人もいるが、病名に縋り悪化していく人もいるだろう。昨今はそれぐらい歪なバランスに突入しはじめている気がしてならない。

ウェルテル効果と同じく、メンヘラブームから影響を受けているのも中高年よりも圧倒的に若者が中心だ。そこにさらにコロナによる生活様式の変化によるストレスが加わり、自殺するほど心身のバランスに変調をきたしてしまう若者が続出してしまったのかもしれない。

あれだな。なんか「かもしれない、かもしれない」ばかりで申し訳ないな。そもそもこの記事は前半だけで終わるつもりだったのだが、実は若者の自殺率もここ最近増えているというデータを知ってしまったので、そこで終わらすわけにはいかなかったのだ。

結局後半は独りよがりな持論展開をしてしまった上、「かもしれない、かもしれない」の連続で自分の中でも全くもって確信を持てていないし、というか持つべきではないし、おそらく論理的に穴だらけだし、内容としての纏まりもイマイチになってしまったのだが、毎日ブログ更新すると言ったので投稿することにする。

センシティブなテーマだし後から見てあまりにも酷かったら修正なり削除なりするかもしれん。

てか、このテーマについてはもっと時間をかけてじっくり考えて書くべきだった。たぶん間違いや思い込みもかなりあるだろう。また後々もっとしっかりしたものを書きたい。

言い訳が過ぎるって?

まあそういう性格なんだろな俺は。自信がなくて自己保身の強い臆病者だから。