小学校のときのおかしな癖

カテゴリーに強迫性障害っぽいやつというのがある。病院で診断を受けたわけではないので“っぽいやつ”と書いているが、俺には子供のころからおかしな癖があり、強迫性障害という精神疾患の縁起強迫という症状に似ている。

例えば、小学生ぐらいのとき「偶数回しか触れてはいけない」というルールを自分に課していた。なにかに触れるともう一度タッチするのだ。衣服など常に体に触れているものには発動しないものの、ドアノブ、水道の蛇口、人間など、なにかに触れる機会なんて一日のうちに何十回とあるので、非常にメンドウだ。しかし、どうしてもそのルールは守らないと気が済まなかった。奇数回でおわると非常にキモチガワルイのだ。

あるとき母親に注意されたことがある。この行動はおかしなことで恥ずかしことだと分かっていたので、人に気付かれないようにやっているつもりだったが、母親にはバレていたようだ。また、学校生活でも誰にもバレずにやるには限界がきていた。

それで、たまにルールを守れないことがでてきた。しかし過去に戻ってタッチするわけにもいかないのでキモチワルいけどしょうがなかった。

そうこうしている内にこのおかしな行動はしなくなっていた。

強迫性障害には暴露反応妨害という治療法がある。おかしなルールによっておかしな行動をしたくなっても我慢するのだ。ルールを守らないとキモチワルイのだが、キモチワルくても我慢する。そうしている内に、おかしな行動をしなくても大丈夫なようになるという。

小学生のときのおかしな癖は、バレないようにするのが不可能、我慢するしかない、という状況が自動的に暴露反応妨害となり、治ったのかもしれない。

しかし、このおかしな癖というのは小学生のときの偶数回タッチだけではない。はじめに「例えば」という書き方をしたのはその為だ。ある数字や色、単語への不吉なイメージや、それを見てしまったとき打ち消すための作業、ある人物を見てしまったときのルール、ある手順を踏まないと気が済まない等、数多くある。もちろん今でもある。引きこもりになってメンタルが堕ちていた2年ぐらい前は特に酷くて一日の多くの時間をそれらおかしな行動に割いていた。まあ、そこらへんのことはまた今度書こうと思う。